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古典は味付け次第

2013.01.22(火)

【柳家三三 独演会
】

2012年7月19日(木)@札幌市教育文化会館

三三師の高座を観たのは今回で7回目。この2年間で6度も来札してるというのもすごいけど、もっとすごいのは毎回必ず初めて聴く根多を披露してくれること。今回も『つるつる』と『万両婿』は初めてでした。

古典落語は舞台設定が江戸から明治の頃なので、現代では分からない設定が多く、特に若い人には長屋だの店子(たなこ)だの言われてもピンとこないと思います。「へっつい」なんて見たことも聞いたこともないはず。現代では分からない部分を補足しながら古典を語る難しさは確かにあるでしょう。「だったら設定を現代にしちゃえばいい」という考え方が出てくるのも仕方ないのかも。新作落語や創作落語が若い人にウケるのも当たり前なのかもしれません。

ところが、三三師の口演を聴いていると、「古典って決して分かりにくいものじゃない」と思える。『つるつる』なんて「井戸洗い」という長屋の風物詩を知らないとオチがつかない噺だけど、マクラでさりげなく解説して、聴衆の脳内にきちんとオチの「タネ」を植え付けてくれる。しかも語りそのものが面白いから、オチまでの間に十分笑って楽しめる。

「古典は古くさくて難解だから初心者には向かない」というのは間違いなのかもしれない。古典だって味付けを工夫し、上手に盛り付ければ誰もが美味しいと感じるひと皿になり得る。三三師だけでなく、喬太郎師や昇太師も同じく素晴らしい古典を聴かせてくれる。新作や創作を否定するつもりはありませんが、「古典は客に分かりづらいから」という理由は通用しないと思います。古典だろうが新作だろうが「つまらないのは演者のせい」という評価にさらされているってことなのでしょう。

(Report:きょとね)

 

(出演)柳家三三 三遊亭きつつき

一、代脈    きつつき

一、悋気の独楽 三三

一、つるつる  三三

<仲入り>

一、万両婿   三三

 

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