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組み合わせの妙

2013.10.31(木)

【大札幌落語会其の二】2013年10月17日(木)@エルプラザ3Fホール

春風亭昇太/三遊亭萬橘/桂枝光/春風亭昇羊

大札幌落語会は、いつもの以上にバラエティに富んだゲストが魅力。枝光師匠自らが一本釣りしてくるだけあって、メディアでの人気度よりも高座の出来で人選しているのがよくわかります。特に今回は開口一番からトリまでの組み合わせと流れがとても良かった。

開口一番は、昇太師の弟子の春風亭昇羊クン。入門2年目の初々しいイケメンが生真面目に『饅頭怖い』を演じました。修行中の若手が愚直に演じるのは微笑ましいですね。トップバッターは客席を温めるのが役割と言われますが、無理にこなれた落語を聞かせる必要はなく、未熟でもトチっても元気いっぱい務めてくれればそれでいいと思う。

枝光師の一席目に続く昇太師は、さすがの貫禄。どんな場所でどんな客を前にしてもブレることなく昇太節で突っ走る。マクラからガッツリたっぷり笑わせてしまう。『初天神』はこれまでにいろいろな噺家の口演を聴いているけど、それぞれにちょっとずつ違いがあって面白い。この噺のキモは金坊の粘りっぷりと、親子バトルに刺さりこむ出店のオヤジのキャラじゃないかな。演者の個性が出るのもその辺のような気がします。

中入り後の萬橘師。二つの目の「きつつき」時代に柳家三三師の独演会で前座を務めているので聞いたことのある人もいると思うのですが、やはり会場には「この人誰?」という空気が…。ご本人もやりづらいらしく、自虐ネタを混ぜたマクラで客の様子をうかがう。ところが、ネタの『宗論』に入ると枝光・昇太両師に負けず劣らず会場は大爆笑。今回で萬橘の名を覚えた人も多かったのでは。

萬橘師が客席の空気をカラッとさせた後に、この日のトリ、枝光作『なにわの芝浜』。江戸落語の名作を上方風にアレンジした改作で、夫婦の心情を丁寧に描いた濃い〜物語に聴衆は引き込まれていました。

開進亭はどうしても枝光色の強い会になりがちですが、今回のように開口一番からトリまでネタも演者も多彩な落語会は、いろんなレベルの感動が混ざって最後まで新鮮な気持ちでいられますね。寄席の楽しさって、たぶんそういうことなんだろうな。(Report:きょとね)

一、饅頭怖い  昇羊

一、紙入れ   枝光

一、初天神   昇太

<仲入り>

一、宗論    萬橘

一、なにわの芝浜 枝光

 

 

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